入れ歯で硬いものを食べられるか?
失った歯の機能回復治療の中でも最もスタンダードな治療法と言えば、まず入れ歯です。
入れ歯は保険適用ということもあり、比較的安価で噛む機能を取り戻すことができますが、入れ歯を入れると硬いものなど噛み応えのある食べ物を食べることはできるのでしょうか。
■入れ歯について
入れ歯は部分入れ歯と総入れ歯があり、どちらも保険適用治療のため、全国の保険診療を行っている歯科医院で治療を受けることができます。
またインプラントのように外科手術を行う必要がないため、持病があっても治療を行うことが可能です。そのため治療できる患者様の制限がありません。
また取り外し義歯であるためブリッジやインプラントに比べて手入れがしやすく、きちんと管理できる方はお口の中を清潔に保つことが可能です。
そして保険適用の入れ歯の場合、安価で短期間に噛む機能を取り戻すことが可能です。インプラントは治療期間が長く、ブリッジは保険適用となる歯の数に制限があることを考えると、入れ歯は最も手軽に機能を取り戻す治療法であると言えます。
■入れ歯のデメリットとは
比較的早く安価に機能を取り戻すことができる入れ歯ですが、問題となるのは噛む力です。
入れ歯になるとどうしても噛む力が弱くなり、部分入れ歯なら天然歯の30~40%、総入れ歯は10~20%程度まで噛む力が衰えてしまいます。
また歯がない部分の骨がだんだん吸収されてしまうため、作製当初はぴったりと合っていた入れ歯がだんだん合わなくなり、ガタガタし始めたり噛めなくなったりするといった症状が出てきます。
特に総入れ歯は歯が一本もないことから顎の骨が吸収されやすく、すぐにガタガタしたり歯と床(ピンク色の部分)の間に小さなものが挟まってしまうなど、食事に不自由を感じてしまいます。
以上のことを考えると、硬いものを噛むことは難しいと考えられます。部分入れ歯はある程度硬いものを噛むことはできても、先ほども述べたとおり、総入れ歯は安定性に欠けます。何度調整を行っても、結局は再調整が必要となってしまうため市販の入れ歯安定剤を使わざるをえません。
市販の安定剤を使ったとしてもやはり安定はしにくく、前歯で噛み切ることはできても、硬いものを奥歯でしっかりと噛むことは難しいと結論付けられるでしょう。
特に保険の入れ歯では素材的に限界があるため、自費治療のオーダーメイドのほうが幾分噛む機能は良いものになると思われます。
入れ歯治療をお考えの方は、入れ歯治療を得意としている歯科医院で治療を受けることが望ましいでしょう。しかし自費治療の入れ歯がすべて良いとは限らないため、歯科医院選びがひとつのポイントとお考えください。
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