なぜ定期検診が大切なのか

なぜ定期検診が大切なのか

皆様は、歯の定期検診がなぜ大切かご存知ですか?歯は治療することが目的ではなく、いつまでも健康な歯を保つことがとても重要です。そのために欠かせないのが、歯の定期検診です。今回はなぜ歯の定期検診が大切なのかについてお話をしたいと思います。

 

■歯を失う原因とは

歯を失う2大原因は、虫歯と歯周病です。特に歯周病は虫歯のように痛みを感じることなく症状が進むため、異常に気付いた時には症状がかなり進行しており、歯を残すことが難しくなってしまいます。

 

・虫歯の原因

虫歯とは、虫歯菌により放出される酸によって歯が溶ける病気です。歯の間に残った食べかすの中の糖分を栄養分にして細菌が作り出すプラークが歯と歯ぐきの境目にへばりつき、そこへ虫歯菌が寄り付いて酸を出して歯を溶かします。

虫歯は、4つの要因が重なることで起こります。その4つの要因とは「細菌(ミュータンス菌などの虫歯菌)」「糖分」「時間」「歯質」で、これらが重なり合うことで虫歯が作られます。

 

・歯周病の原因

歯周病は、歯周病菌が出す毒素により歯ぐきや歯を支える歯槽骨などの歯周組織に起きる炎症です。歯周病は歯肉炎という症状から始まり、歯ぐきの腫れ、出血の症状が起こります。適切なブラッシングを行い、口腔内を清潔に保つことで改善することができますが、悪化すると歯ぐきの腫れや出血に加え、口臭が強くなる、歯が少しずつ揺れ動くなどの症状が出始めます。さらに悪化すると歯ぐきに膿が溜まり悪臭が漂う、歯ぐきの腫れが酷くなって食べ物を噛むことができない、歯がグラグラして抜け落ちそうになるなど、重度の歯周病になってしまいます。

 

虫歯も歯周病も、原因はプラークです。プラークが形成されることでお口の中に細菌が棲みつき、虫歯や歯周病を引き起こしてしまいます。

プラークを作らないためには、まずご家庭での適切なブラッシングや、規則正しい生活習慣が重要です。

 

■定期検診の目的とは

定期検診は、お口の中の異常の有無を確認し、歯の健康を維持することを目的としています。

あなたは痛みや違和感といった症状が出てから歯科医院を受診しますか?

虫歯や歯周病は、自覚症状が出てから受診した時点では症状がかなり進行した状態であることが大半で、治療にも時間がかかり、歯の寿命を縮めてしまうことになりかねません。

このようなことを未然に防ぐためにも定期検診は非常に大きな意味を持っているのです。

では定期検診はどのようなことが行われるのでしょうか。

 

・歯科医師による口腔内のチェック

定期検診では虫歯や歯周病、舌などの口腔内粘膜の異常の有無をチェックします。また被せ物や詰め物に不具合はないかを確認します。

 

・入れ歯やインプラントの不具合の有無

入れ歯やインプラントの方は快適に使えているかを確認し、必要に応じて調整を行います。

インプラントの場合はインプラント周囲炎になっていないかもチェックします。

 

・歯科衛生士による歯石除去やクリーニング

虫歯や歯周病になる原因は、プラークです。またプラークが石灰化し、歯にこびりついたものが歯石で、歯周病の悪化を招きます。

定期検診では歯科衛生士が歯石除去やクリーニングを行い、プラークや歯石を取り除いて虫歯や歯周病になりにくい口腔内環境を整えます。

 

・お子様のフッ素塗布、歯並びのチェックなど

お子様の定期検診では虫歯の有無の確認やフッ素塗布の他、歯が正しく生えているか、歯並びに異常はないかなどを確認します。歯並びや噛み合わせに問題がある場合は、早期に矯正治療の提案を行うなどお子様のお口の健康を守ります。

 

■歯の健康を守り、一生ご自身の歯を保ち続けましょう

定期検診は、歯の健康を保つことと、異常を早期に発見、早期に治療することを目的としています。どんなに精度の高い入れ歯やインプラントでも、ご自身の歯に勝るものはありません。歯は失ってからその大切さ、ありがたさに気づくものです。

虫歯や歯周病の予防には、毎日のセルフケアに加えて歯科医院での定期検診が大きなポイントとなります。定期検診を受診することで、虫歯や歯周病などの異常を早期に発見し、最小限の治療に留めることに繋がることは、歯の寿命にも大きく関わるのです。

 

歯を失って後悔しないためにも、定期検診を受診して歯の健康を守り続けましょう。

 


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